ブックマークジャパン川口慎通氏が、坂口将史准教授「コンテンツ産業論」で特別授業を実施


坂口 将史 准教授の「コンテンツ産業論」で、特別ゲストとしてブックマークジャパン株式会社の川口 慎通 編集長をお招きし、特別授業を開催しました。25年間の業界経験を持つ川口編集長が語る、漫画制作の裏側やプロフェッショナルな編集者の仕事に関するお話に、学生たちは熱心に聞き入っていました。講義後には多くの質問が寄せられ、白熱した時間となりました。漫画編集の世界や編集者という職業の奥深さを理解する貴重な機会となりました。
漫画編集とは
「漫画編集の本質は、作品の『味』を調整すること。味が濃すぎる作品は薄めて読みやすくし、薄い作品には濃さを加える。読者の皆さんが読んだときに、ちょうど良い面白さに仕上げるのが編集者の仕事です」
作家と編集者の理想的な組み合わせ
「才能のある漫画家と才能のある編集者が組むと、実は良くないことが多いんです。両者ともイマジネーションが豊かで、どんどん味付けが濃くなってしまい、読者にとって消化しきれない作品になってしまうからです」
「理想的な組み合わせは、非凡な漫画家には平凡な編集者を、平均的な漫画家には経験豊富で力のある編集者を配置することです。才能ある作家は『味の濃い』独創的な作品を生み出しがちなので、編集者がリアリティを加えて地に足の着いた作品にバランス調整する必要があります。逆に、日常や現実的な題材を扱う漫画家の場合は、経験豊富な編集者がイマジネーションを与えて、より面白い作品に仕上げることができます」
編集者に求められるスキルとマインド
- コミュニケーション能力:作家の考えを聞き出し、自分の意見を適切に伝える
- 熱意:読者を感動させたいという強い想い
- 広い知識:様々なジャンルについて浅く広く理解する
- 好奇心:新しいことへの挑戦と学習意欲
- 敏感さ:人の感情や流行を察知する力
- 柔軟性:固定観念にとらわれない発想力
- 本質を見抜く力:作品の核心を理解し、最適な改善策を提案する
編集者の醍醐味
「編集者の名前は表に出ませんが、自分が関わった作品がアニメ化や映画化される可能性があります。新しい漫画を世に送り出し、多くの人に読んでもらえるという喜びは、なかなか他の職業では味わえません」






