【学生広報部】「世界一の紙切り作家」を目指して ― OB・丸山紘平さんインタビュー

観客の目の前で、1枚の紙からハサミを使って動物や風景、人物の姿など、さまざまな形を作り上げる紙切り作家として活躍する日本経済大学出身の丸山紘平さん(2021年卒業)に取材をしました。
【丸山紘平さんプロフィール】
大分県出身、福岡県在住の紙切り作家。3歳の頃に母親の真似をして独学で紙切りを始め、幼少期から「スーパー小学生」としてテレビ番組等で注目を集める。現在は「世界一の紙切り作家」を目指し、国内外で活躍中。


Q. 紙切りと切り絵の違いは何ですか。
日本の伝統工芸が切り絵、伝統芸能が紙切りになります。紙切りは芸術ではなくパフォーマンスの一つで、落語の合間に芸人がしているパフォーマンスです。切り絵と紙切りの大きな違いは、切り絵は下書きをしてハサミやカッター、ナイフなどの刃物を使って制作しますが、紙切りは下書きのない紙とハサミのみで作品を作る点です。
Q. 制作の途中で失敗した場合は、最初からやり直すのですか。
今のところ、制作途中に失敗したことはありません。完成して思ったものと違う場合は作品を出さないこともありますが、途中で切り落としたりすることはないです。
Q. 作品制作で一番こだわっているポイントは何ですか。
基本的に紙切りの作品は白い紙で作ります。黒や他の色を使わないため、いかに白い紙でその生き物の動きや表情、躍動感を表すかがポイントになります。また、作品の中を切り過ぎてしまうと紙本来の肌ざわりや質感が損なわれてしまうため、切り過ぎないこともポイントです。

Q. 作品の制作にはどれくらいの時間がかかりますか。
作品にもよりますが、4時間から12時間、長いものではもっとかかる作品もあります。額まで含めた背景の和紙もすべて作品の一部なので、全体で5日ほどかかります。作品を並行して作るため、早いものは2、3日で終わることもあります。
Q. 大学卒業後にドイツやイギリスに行かれたと聞きました。どんなことを学ばれましたか。
日本とヨーロッパの芸術では、作品に対する視点や表現方法の違いを学びました。日本の芸術は余白や精神性を大切にし、抽象的に表現することが多い一方で、ヨーロッパでは写実的で立体感のある表現が重視されています。私は写実的な紙切り作品を制作しているため、ヨーロッパの芸術から多くの刺激を受けました。

Q. 作品の穴の部分はどのように作っているのですか。
鋭くて小さいハサミを突き刺して抜いています。外から切り込みを入れて切ってしまうと生き物本来の動きがなくなってしまうので、ハサミを突き刺して抜くことで、生き物本来の躍動感やリアルさを表現しています。
Q. 初めて作品を見る人に、ここを見てほしいというポイントはありますか。
生き物の躍動感や表情、毛並みなど細かいところまで見ていただくと、題名との繋がりが見えてきます。作品が生きているように見えることが私の作品の一番のポイントなので、そういったところを見ていただきたいです。
Q. 学生時代はバドミントンに打ち込まれていたと聞きました。競技の経験で紙切りに繋がるものはありますか。
バドミントンで培った集中力や継続する力は、紙切りにも活きていると思います。一瞬の判断力や細かな手の動き、最後まで諦めずに作品を仕上げる姿勢は競技経験から学びました。また、バドミントンだけでなく、日々の生活すべてが芸術に繋がっていると思います。これまでの人生で色々な方と出会ってきましたが、その出会い一つ一つを大切にすることで、自分が活動していく時に応援してもらえたり、温かく見守ってもらえます。どんな小さな出会いも大切にすることが大切だと思います。

Q. 夢に向かっている学生に、何かメッセージをお願いします。
自分の好きなこと、続けていることすべてが目標や夢に繋がっているわけではありませんが、だからといってそこで諦めてしまうと、それで終わりです。自分で何かをすると決めたなら、自信を持ってしっかり準備をして継続していくこと。日々努力を積み重ね、自分の夢を信じて挑戦し続けることが大切だと思います。
これまでの作品はインスタグラムで見ることができます。
丸山さんインスタグラム https://www.instagram.com/kamikiri_kohei/
取材を終えて
今回OBの方に取材をさせていただき、とても良い経験をさせていただいたことに感謝でいっぱいです。学べることがとても多く、自分たちのこれからの学生生活に活かそうと思いました。自分たちもOBの丸山さんのように、将来に向かって頑張っていきます。今回は貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。
鍋山央駕(経済学科2年、鹿屋農業高等学校出身)
今回の取材で特に印象に残ったのは、紙切りは下書きをせず、和紙とハサミだけで作品を完成させるという点です。作品は何時間もかけて制作されており、高い技術と集中力が必要だと感じました。完成した作品だけでなく、そこに込められた努力やこだわりにも注目したいと思いました。
桒原健人(経営学科2年、広島国際学院高等学校出身)
今回の取材をして感じたことは、作品を作るときに白い紙だけで表情、躍動感を表現するという所です。紙一枚でその生き物を作るというその技術に驚きました。実際に紙を切る所を見させていただいたのですが、速すぎて何が起きてるのか分かりませんでした。丸山さんの今後の作品が楽しみです。