「愛さんさんグループ」代表取締役・小尾 勝吉 氏をお招きし特別授業を開催

「愛さんさんグループ」代表取締役・小尾 勝吉 氏

江尻 俊章 教授(左手前)「ベンチャービジネス概論」の学生たち
本学東京渋谷キャンパス・江尻 俊章 教授の「ベンチャービジネス概論」で、「愛さんさんグループ」代表取締役・小尾 勝吉 氏をお招きし、特別授業を実施しました。小尾氏は、東日本大震災をきっかけに被災地支援のため宮城県へ移住し、障がいや難病、生活困窮などさまざまな困難を抱える方々の雇用創出に取り組まれています。若年層から高齢者まで誰もが生き生きと働ける共生社会の実現を目指し、尽力されてきました。決して順調とはいえない家庭環境で育ちながら、10代・20代の苦難を乗り越え、道を切り開いてきたこれまでの歩みは、学生たちの心に深く響き、皆真剣な表情で耳を傾けていました。
学生たちからは、「高齢化による人手不足への対応」「就職活動における資格の必要性」「社会に出てからのデジタル活用の実際」「価値観が変わった出来事」「障がいのある方と接する際に意識していること」など、次々と質問が寄せられました。小尾氏はそれら一つひとつに丁寧かつ温かく答えてくださり、学生にとってかけがえのない貴重な学びの機会となりました。




誠意と行動で道を拓く —— 人生の質は「考え方」で決まる
社会に出て強く感じたのは、「頭の良さ = 成功」、「有名 = 幸せ」、「お金がある = 幸せ」ではない、ということ。SNSで「キラキラした人生」を見せる人も多いですが、それが本当の幸せかというと、必ずしもそうではありません。人生の質は、結局「考え方」で決まると思っています。考えていないことは言葉にも行動にもならず、結果にもつながりません。だからこそ、良い考え方に触れることが大事です。私が大事にしてきたことは、
・良い本を読む
・良い友人と会う
・良い師匠を持つ
という3つです。例えば、不動産の師匠、医療の師匠、趣味の師匠……といった具合に、分野ごとに頼れる人をつくるのはとても重要です。
師匠をつくるために意識してきたことがあります。それは「誰もやらないこと」をやるということ。たとえばお会いした翌日にお手紙を書く。こうした小さな工夫で「印象に残る人」になることを大切にしてきました。コネもお金もないけれど、誠意と行動で関係を築いてきました。
子どもの頃は人前で話すのが苦手で、赤面症もありました。大学進学後は、自分に合う仕事を求めてアルバイトをとにかく経験しました。就活に苦戦するなかで、最終的には「起業しよう」という決心します。大きく影響を受けたのは、松下幸之助さんの「人には役割がある。自分の役割に気づけば豊かになれる」という言葉でした。学生の皆さんには、「良い師匠・良い友人を持つ」ち、勇気をもって一歩を踏み出し、もう一度歩みたいと思えるような人生を歩んでほしいと思います。